■ 足の臭いの原因と消臭・予防・解決法 ■ |
■■ 足の臭いの原因 ■■
その2 細菌の繁殖 その3 加齢臭の影響 ■その1 汗をかくこと。■ 足の臭いの第一の原因は、汗をかくことです。 しかし、人間は、発汗を行うことによって体温を調節していますので、汗をかくことは体を維持していく以上どうしても必要なことで、避けて通れません。 体温調節以外に、手や足の裏は、精神的な緊張や興奮によっても発汗します。 みなさんも、緊張したりヒヤッとしたときや上司に怒られたときなど、ストレスを感じたときに、手や足に汗をかいていることがあると思います。アレです。 これによって通常より大量に汗をかいてしまいます。 この際の発汗の量に個人差があって、やはり多く汗をかく人は、少ない人よりも、足の臭いのリスクが高くなります。 汗が出る穴には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。 「アポクリン腺」はワキの下やなどの、毛の密集した局所にしかありません。ワキガの原因になっているのがこの「アポクリン腺」です。 「エクリン腺」が一番密に汗腺が存在しているのは手のひらです。次に密なのは足の裏で、その次に額です。 このように足の裏には「エクリン腺」が密集していて、さらに靴を履いて、温度が高くなっているため、体の中でも最も汗をかきやすいところです。 一説には、多い人で両足で一日にコップ一杯の汗をかくといわれています。 また、油の多い食事は「エクリン腺」の活動を活発にするため、汗の分泌を増やすといわれています。 ■その2 細菌の繁殖■ 汗をかいただけでは、あのような足の臭いにはなりません。 なぜなら、この「エクリン腺」からの汗には、ニオイはほとんどありません。 腕の汗も「エクリン腺」から出ますが、あのような足の臭いにはなりませんよね。 「エクリン腺」からの汗は、99%以上が水で、そのほかにはごく少量のナトリウムや塩素、カリウム、カルシウム、重炭酸イオン、尿素、アンモニアなどが含まれています。 この成分は、血漿の成分とほぼ同じで、直接的に臭いを発生するものはほとんど含まれていません。 ですから、汗をかいた直後は、あのような足の臭いはなく、無臭といっていいと思います。 その「エクリン腺」からの汗を、足に生息している皮膚常在菌(細菌・バクテリア)たちが、皮脂や汚れ、汗に含まれている有機物、靴の素材などを分解することによって生じた産物から悪臭が発生し、あの足の臭いになるのです。 足の臭いが発生させる細菌が活動するためには、 1.適度な温度があること。(10〜35℃前後) 2.栄養分があること。(有機物のホコリ、チリ、垢(あか)など) 3.水分があること。(湿気が最適) 4.酸素があること。(嫌気菌を除く。) の条件が必要ですが、靴の中は、温度32度付近、相対湿度80〜90%程度で、いつもこの条件を満たしています。 特に女性のブーツのように密閉された状態などは、足の臭いを発生させるには最高の環境です。 足は角質層が厚く、靴底との摩擦によって、この角質層の細胞が剥がれ落ちて、アカとなって、皮膚常在菌の栄養分が豊富にあることも、足の臭いを強める一因となっているものと考えられます。 水虫などの病気も表皮の荒れ、脱落や、体液の浸出による影響で、足の臭いを強めます。 また、糖尿病などでからだの免疫力が低下すると雑菌が繁殖しやすくなり、足の臭いが強まります。 ■その3 加齢臭の影響■ 30〜40代を過ぎると、皮脂中の脂肪酸組成が変化し、パルミトオレイン酸という脂肪酸が増加してきます。 さらに中高年の体は、抗酸化力が弱まり、このパルミトオレイン酸などの脂肪酸を酸化・分解しやすい状態にもなっています。 パルミトオレイン酸が酸化や皮膚常在菌によって分解されると、特有の体臭成分であるノネナールとなり、加齢臭が発生し、足の臭いにも影響します。 ■■ 足の臭いの消臭・予防・解決法 ■■
足を取り巻く環境は、まず素足,その上に靴下やストッキングを身に付け、最後に靴で覆われるという構造です。 このため、それぞれの観点から、足の臭いの対策を考えますと、 1 生足対策で足の臭い予防 2 靴下・ストッキング対策で足の臭い予防 3 靴対策で足の臭い予防 の3つの足の臭い対策となります。 以下、それぞれの対策について考えていきます。 ■1 生足対策で足の臭い予防■ ■@足を洗う お風呂で足を洗う時は殺菌効果のある薬用石鹸を使い、足の裏やかかと、爪の先まで丁寧に洗い、垢が残らないようにしましょう。 ■A制汗剤 靴を履く前に足専用の制汗剤や防臭スプレーをつけてよく乾かしてから、靴下や靴を履きます。 ■B酢 洗面器やバケツなどにお湯を入れて、大さじ一杯のお酢を足して足を10分間程度浸します。 酢には殺菌作用があるので、毎日行えばニオイの予防になります。 ■2 靴下・ストッキング対策で足の臭い予防■ ■@素足でクツを履かない 素足で直にクツをはく人はあまりいないと思いますが、足とクツの間に緩衝地帯があることが原則です。素足ではなく靴下を履きましょう。 ■Aソックスを履きかえる 汗をかいた直後は、足の臭いはない。その後の細菌の活動によって足の臭いが発生する前に、汗を取り除いて、細菌の栄養源を断ってしまいましょう。 ■B吸湿性の良い靴下を選ぶ 足の臭いを防ぐには、ナイロン製のものでなく、吸湿性・発散性の良い靴下を選んでください。 シルクやウールを使った製品が吸湿性、発散性ともに優れています。綿素材の靴下は吸湿性に優れていますが、シルクやウールに比べ発散性が低いようです。 女性のストッキングは、汗を吸いにくく、細菌が繁殖しやすくなり、足の臭いが強くなる要因です。なるべく吸湿性のあるものを選ぶようにしましょう。 ■C消臭繊維の靴下を選ぶ 汗の臭いを分解し、消臭する繊維で作られた下着があります。 足の臭いが発生しても、靴下で消臭することができるので、かなり効果的です。 ■3 靴対策で足の臭い予防■ ■@通気性のよいクツを選ぶ 細菌の活動に必要な温度と湿度をコントロールし、足の臭いを発生させる細菌の活動を抑制しようとするものです。 素材はなるべく通気性の良いものを選ぶようにします。特に夏場は空気を通すようなものがオススメ。 人工皮革のものよりも、吸収した汗を発散させるので天然皮革の靴の方がベターです。 ■A足に合ったクツを選ぶ カットの浅いタイプで、つま先に多少余裕があり、歩きやすいクツが良いです。 見た目のカッコよさやオシャレを優先してしまうと、足の臭いでオシャレじゃなくなりますのでご用心。 キツいと、足の血行を妨げ、足が疲労し、汗をかきやすくなりますし、逆に緩いと歩きにくく、この場合も足に汗をかきやすくなります。 ■B中敷(インソール)を使用する。 脱臭作用や吸湿性のあるを使うと効果的です。 ■Cこまめにクツを脱ぐ 空気を入れかえることで湿気を逃がすと同時に、一時的に温度を下げる効果があります。 外出中は無理ですが、オフィスの中などではサンダルに履き替えるなどの工夫が必要です。 また、休憩時間などに短時間でも良いのでクツを脱いでみましょう。 ■D同じクツを続けてはかない 多い人で、両足で一日にコップ一杯の汗をかくといわれています。一日履いたクツにはその汗が浸み込んでいます。 普段履くクツは、2〜3足用意してローテーションすることによって、クツの中に湿気をためこまないようにしましょう。 ■Eクツの手入れを怠らない クツの手入れをすることにより、雑菌の繁殖を抑え、足の臭いを抑えようとするものです。 汗で湿ったり、雨で濡れたりしたクツをそのままほったらかしでは、細菌の活動が続いたままの状態になっています。 ホテルマンはクツで人を見ると言いますので、自分の足元の手入れは、足の臭いの対策に限った話ではなく、身だしなみとして必要不可欠のものでしょう。 【陰干し】 一日履いてクツにしみ込んだ汗は、翌日の朝までの一晩では乾きません。 クツは2〜3足を交互に使用して、一日履いたクツは次の日には風通しの良い場所に日陰干しするようにしましょう。 乾きにくいときは、乾燥剤を入れておくか、ドライヤーや扇風機などを利用してみてください。 ドライヤーの熱風を当てると靴が傷みますので、基本的には冷風で乾かしてください。 【消毒】 薬局で消毒用アルコールを入手してください。スプレーにして吹きかけた上で、ティッシュなどで拭き取ってください。 アルコール入りのウェットティッシュを使用してもよいでしょう。 また、靴用の消臭スプレーや、除菌パウダーなどの消臭・除菌剤で手入れをしてください。 【注意】 脱臭剤ではなく、芳香剤を使用して臭いを解決しようという方がいましたら、気をつけてください。 芳香剤は、ニオイをそれより強力ないいニオイで覆い隠すものと、臭いに別の香りを混合し、ニオイを相殺するものがあります。 しかし、多くは、芳香剤の香りが、足や靴の臭いと混じって、より複雑な異臭になってしまうことが多いので、注意が必要です。 私の経験では、芳香剤は、「足の臭い+芳香剤」の異臭になってしまうので、逆効果です。 足の臭いを消そうと芳香剤を多用すると、仮に足の臭いが隠せても、やはり強力な芳香剤の臭いで逆に周囲に迷惑をかけます。よくそういう人がいます。 ■Fクツの交換 足の臭いの染み付いてしまったクツは、簡単に臭いを除去することができません。 以上の対策を実行しても、クツに染み付いた臭いが足にうつってしまうのでは、努力効果が出ないばかりか、せっかくの努力が徒労に終わる可能性があるので、思い切ってクツを新調してから取り組んでください。 極論ですが、資金力のある方は、足の臭いがしてきた都度、クツを新調していくというのも一つの方法です。 ■その他の足の臭い対策■ 食生活を改善しよう。 動物性タンパク質や脂肪を多く含む食品を多く摂ると、脂質の分泌が増え、ニオイの基をつくり、発汗作用を促し汗をかきやすくなります。足の臭いを防ぐためには肉や乳製品はなるべく避けた方が良いです。 野菜や穀物、果物などを多く摂るようにし、動物性のタンパク質は肉類ではなく、魚介類で摂るようにしましょう。 |